年末ショートストーリー
年末の忙しい時期を乗り越えて、やっと休みになった。
急に寒くなってきた。彼女も手を擦り合わせた後、腕を組んできた。
「今年ももう終わっちゃうね〜。大掃除して夕飯の支度してたらあっという間に時間が経っちゃった。あったかいコーヒーが飲みたい。」
夕飯は餃子なのだそうだ。にんにくをたっぷり入れたそうだ。
12月30日。年末のドッキリ番組を見ながら、ビール片手に餃子を突っつく。ワンルームマンションでのちょっとした贅沢。
明日は大晦日恒例の歌合戦を見るか、お笑い番組を見るか。ちょっと下品だから、嫌いだそうだ。おっさんの尻なんか見たくないそうだ。確かに、と思って笑った。
来年は久しぶりにあそこのラーメンを食べたいね、と話した。あそこはもう1ヶ月以上行っていない。
にんにく餃子のおかげで息がにんにくくさいが、まあ年末だからいいか。明日も休み。なんという幸せか。こんな時間がずっと続いたら良いのに。
※この話はフィクションです。