クリスマスショートストーリー

クリスマスまであと少し。私は今プレゼントを用意しようとしている。何が良いだろうか?
仕事は年末年始が特に忙しい仕事をしているため、クリスマスプレゼントを考える時間もあまりない。駅ビルで何か適当なものでも探そうか?
いや、その前にとりあえずあの店に行こう。と決めた。
それは行きつけのラーメン屋だったが、ひと月くらい前からずっと行っていない。しかし、人気店なので行列は常にあった。寒い中並ぶ人も珍しくない。
今日も並んでいるかな、と思って見てみるとそんなに並んでいなかった。ラッキーだと思い列に並ぶ。
順番が来て店に入ると、いつも黙々と作業をしていた。ラーメンが運ばれてきた。すると突然、サンタクロースの格好をした人が入ってきた。
クリスマス仕様か、と苦笑いをしていると突然に「メリークリスマス!」といいクラッカーを鳴らした。おいおい、今日はまだ15日だぞ。と突っ込みたくなった。お客さんも皆ポカンとしている。
すると、そのサンタクロースは客たちにプレゼントを配り始めた。そこには「いつもご利用ありがどうございます。」というカードと小さいショートケーキが入っていた。プレゼントを渡すとサンタクロースは店を出ていった。
聞くところによると、その人は店主の師匠にあたるらしい。弟子の店を訪れてサンタクロースに扮して店内でプレゼントを配るのだという。師匠は弟子を全国に持っており、12月は全国の弟子の店に出向いては店を盛り上げてくれるらしい。訪れる日程は店員さんにもわからず、サプライズで登場するという。それが師匠の気まぐれなので巡り会うことは運が良いのだとか。
とても良い師匠じゃないか、と思った。今まで当たったことなかったから余計に嬉しかった。店員さんもサービスして振舞ってくれた。心がほっこりする出来事であった。
こういうプレゼントもありか、と考えさせられた。
でもサンタクロースは夜な夜なきてプレゼントを置いていくというのが定番である。こんなことをする物好きなサンタもいるものですね。

※この物語はフィクションです。